耳のトラブル治療/にしやま由美東京銀座クリニック(東京銀座2丁目)
耳のトラブル治療について
耳のトラブルには様々な症状が伴います。
耳のトラブルには、生まれつきの先天的な症状からピアスなどによる後天的な症状まで様々です。それぞれの症状に合わせた対処法を選択することによりトラブルを解決していく外科的処置や内服や外用による保存的な治療まで形成外科的な経験が必要となります。
耳のピアスホールの感染・アレルギーについて
細菌感染
ピアスホールにばい菌による細菌感染を生じることがあります。細菌感染の症状としては、発赤、腫脹、疼痛や膿の流出を認めます。基本的に入浴時にシャワーでよく洗い流す処置をして抗生物質の軟膏の塗布で治療を行います。他のクリニックでピアスホールを開けた場合でもお気軽にご相談下さい。
→抗生物質の投与を行い治療します。
接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎など
市販品のステンや合金ピアスは、金属アレルギーによる接触皮膚炎が生じることがあります。接触性皮膚炎の症状としては、皮膚のただれ、赤み、痛みとともに黄色い液を伴う浸出液の流出があります。ピアスを購入される際、金属アレルギーの少ない純チタン製のピアスをお勧めします。当医院でも販売をしておりますのでお気軽にお尋ね下さい。
→抗アレルギー剤の内服・外用を投与して治療
耳の外傷性嚢腫・粉瘤について
ピアス穴には、表皮成分がありますので穴の内側に垢などが貯留し嚢腫(しこり)を形成して徐々に増大してくることがあります。また、毛穴が何らかの原因で閉塞するとこれも皮脂・垢などが貯留して粉瘤ができることもあります。ピアスを常に装着しておかないと、穴が自然閉鎖することがありますのでご注意下さい。
粉瘤は、全身のどこにでもできる良性のできものです。大きさは、腕豆大~鶏卵大で半球上に隆起し、弾性硬の皮内腫瘤で大きいときは波動を呈するこ ともあります。良性腫瘍のため、近医では放置しても問題ないと説明される ケースが多 いのですが、実はばい菌による感染を起こしやすく、赤く腫れて痛みが出ることもあります。
外傷性嚢腫や粉瘤は、感染を起こしていない場 合には、すぐに袋ごと摘出術を行いますが、二次感染をおこしている場合には、一旦小切開をして膿を外に出す必要があり周囲の 炎症反応が治まるまでに約2週間ぐらいかかります。
耳のケロイドについて
耳のケロイドの治療の実際
STEP1:トリアムシノロンアセトニド注射のケロイド内注射(1~2回)を行います。
STEP2:手術前に約4週間のリザベンと柴令湯の内服とステロイド外用治療を行います。
STEP3:ケロイドを取り除く手術を行います。
STEP4:手術後のアフターフォローアップを6ヶ月~1年程度行います。
耳ケロイドの摘出手術
ケロイドの発生には、体側要因としてのケロイド体質、外的要因として感染、皮膚の張力、物理的な刺激などが関与します。ケロイドは、胸、背中、顎、耳、上腕、肩などにできやすく、ニキビ痕やピアスのホール、予防接種、手術の傷口などの範囲を超えて赤く大きく膨らみ、痛みや痒みを伴うことが特徴です。
ケロイドの状況によりますが、最初は保存的に治療を行い少しケロイドの硬さがやわらいだ頃に摘出手術を行うのが最も良いと思います。手術療法は、主に耳のケロイドの膨らみを早く治してしまいたい患者様に適応となります。ただし体質により手術後再発する可能性がありますので、術後も慎重に経過観察し、約6カ月間テーピングやトラニラスト・漢方薬内服、ステロイド外用、ケナコルト局所注射の治療をおこないます。
ピアス埋入について
ピアスの埋入
ピアスのヘッドあるいはキャッチャーが耳の皮膚の中に埋入してしまうことがあります。このような場合には、局所麻酔下にピアスを取り除く必要があります。取り出した後のホールは、抗生物質の外用を用いることで通常は1週間程度で治癒していきます。再度同部位に穴あけをする場合には、1か月程度の間隔が必要となります。
耳瘻孔の手術について
耳瘻孔は、生まれつき耳前や耳周囲に小さな穴とその穴下に管がつながっていて、管の先端は耳介軟骨で袋状に終わっている病態をいいます。これは、耳を形成する時の異常により生じたもので、耳の疾患の中では副耳とともに頻度の高い疾患の1つです。遺伝性の可能性もあります。
耳瘻孔は、一生症状のない場合も多いのですが、時には穴から臭いのある分泌物が出てきたり、細菌が入って感染を繰り返す場合もあります。細菌感染を起こすと、局所麻酔による皮膚切開をして溜まった膿を出し、抗生剤を内服するなどの治療が必要になります。
細菌感染を起こしたことのない耳瘻孔は、そのまま様子みても差し支えないと思いますが、一度でも感染を起こした場合には再び感染を起こす確率が高いので手術による摘出をお勧めします。
手術は、外来通院で局所麻酔により耳瘻孔を含めて管状や袋状のものを全て取り去ります。手術創は丁寧に縫合し、抜糸は術後5日目におこないます。
副耳の手術について
耳前部や頬などにイボ状のできものがある生まれつきの病気を副耳といいます。お母さんのお腹のなかで赤ちゃんの耳ができていく過程で生じる 病気ですので、耳介の変形をともなうこともあります。片方の耳にだけのことが多いのですが、時々両方にある場合も認められます。
大きさも様々でゴマ粒程度~ダイズ大のものまでで、1~数個のこともあります。皮膚だけの場合や,イポの中に硬いしこりがふれるときは軟骨も一緒に含まれていることがあります。副耳による症状はほとんどありませんが、美容的な理由で手術されることがほとんどです。
丁寧な診察とシミュレーション
手術を行う前には、ご希望の状態に向けての丁寧なカウンセリングを行います。腫瘍の状況を判断して最適の手術法を検討します。手術前にMRI画像診断(検査センター)にて大きさや深さ、性状を確認する場合もあります。
耳のトラブル施術の流れ
1:カウンセリング
患者様の気になる部位についてご要望を詳しくヒアリングし、丁寧に診察を行ったうえで治療法法を決定します
2:施術
その状況にあわせた治療を行います。
3:アフターケア
施術後、術後のケア方法などを丁寧にお伝えいたします。